部位別《しびれ》の特徴と隠れた病気を見抜くチェック方法を公開!

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しびれと隠れた病気の関連性

手足や肩などの『しびれ』――。
指先がジンジンしたり、手首にピリピリするような感覚のある方、もしくは、少し歩いただけで足に妙な違和感を感じるという方――実はこの症状、もしかすると重大な病気が隠れているサインの可能性があるんです。

しびれを引き起こすような病気には、糖尿病や頚椎症など早期に対策することで、症状の進行を食い止めることができるものが多いのです。

  • 身体にジンジンとした違和感がある
  • いつもより感覚が鈍い気がする

上記のような、痛みというよりはちょっとした違和感を感じる《しびれ》を、何気なく送っている日常で、ふと気になってしまう人は少なくないと思います。こういう場合は放置せず、出来るだけ早く医師の診察を受けることが重要です。

病気というものは、早期に発見して適切な治療を行えば、悪化させることなく大事に至らずに済むことが多いんです。

そこでこの記事では、しびれと関連しているかもしれない病気を部位別に話していくので、日々の健康管理をチェックする目安にして頂きたいと思います。

 

危険なしびれの原因は5つに分けられる

しびれというのは、様々な病気を知らせているサインとなります。

この原因によって、現れる部位やしびれの感じ方も違ってきます。事前にしびれの原因を予想しておくことで、受診する診療科に迷うことを防ぐことにも繋がり、あちこちの診療科を回るといった高率の悪さを避けられるでしょう。

決めつけは危険ですが、ある程度の予測をしておいて損はないはずです。

①神経の異変が原因によるしびれ

人間の中心を通っている《脊髄》や、脊髄から身体の隅々に伸びている《末梢神経》などに異変が出ることで、しびれが出てきます。

②血流の異変が原因によるしびれ

血流に異変が起きてしまい、末梢神経に不具合が生じてしまうことで、しびれが出てきます。糖尿病に多いパターンのしびれは、このケースが多く見られます。

③心臓の異変が原因によるしびれ

心筋梗塞や狭心症を発症することによって、しびれが出てきます。非常に危険な状態だと言えるでしょう。

④内臓疾患が原因によるしびれ

内蔵に何らかの異変が生じることで、しびれが出てくるケースです。最悪な場合はガンのサインの可能性もあるので要注意です。

⑤脳の異変が原因によるしびれ

脳に異変が起きることによって、手足にしびれを感じます。脳卒中などの前兆にもなるので、危険だと言えるでしょう。

原因としびれの出る部位で隠れた病気を判断する

前述の①~⑤のうち、どの原因に当てはまるのかによって、しびれが出てくる箇所や感覚が異なってきます。

つまり、隠れた病気を判断するためには、しびれが出ている《部位》や、しびれの特徴を把握しておく必要があります。そこで以下に『しびれの部位と関連する病名』を挙げておくので、自身のチェックに利用して頂きたいと思います。

◆ しびれの出る部位と関連する可能性がある病気
しびれが出る部位 関連する病名 詳細
  • 頚椎症
  • 頸部脊柱管狭窄症
首にしびれが出るということは、首の骨が神経を刺激して、しびれが出る頚椎症の可能性がある。これが悪化すると『文字が書けない』『箸が持てない』といった事態になることもある。
しびれが同じ場所に繰り返し出る場合や、首を動かしたときにしびれの強さが変化する場合は、症状が進行している可能性が高いので注意が必要。
手のみ
  • 頚椎症
  • 頸部脊柱管狭窄症
  • 胸郭出口症候群
首の場合と同じで、繰り返ししびれが出る場合や、首を動かした際にしびれの強さが変化する場合はかなり危険な状態。
肩の骨が神経を圧迫することで起きる胸郭出口症候群は、血管に負担をかけることもあるので要注意。血流が悪化することでしびれを引き起こす。まれに手の一部が壊疽(えそ)することもあるので注意が必要。
足のみ
  • 腰椎症
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 閉塞性動脈硬化症
腰の神経が骨に圧迫されることでしびれが出る場合は、腰椎症か腰部脊柱管狭窄症の可能性あり。とくに足がもつれるような感覚があって上手く歩けない場合は、すぐに病院で診察を受けることが賢明。
片方の足だけがしびれる場合には閉塞性動脈硬化症の疑いもある。
もし長距離を歩けないようであれば、必ず血管の検査をしておくべき。
手足の両方
  • 糖尿病
左右どちらかではなく、両方の手足にしびれが出ている場合は、糖尿病を疑うことが必要。仮に糖尿病が原因の場合には、首や肩、あるいは腰を回してもしびれの強さに変化がない。
太っていたりアルコールの摂取量が多い人が、こういったしびれを感じた場合には、とくに注意する必要がある。
左肩
  • 心筋梗塞
  • 狭心症
左肩にしびれが出ている場合、心筋梗塞や狭心症の痛みを脳が誤って認識する《放散痛》の可能性がある。
しびれている部位を揉んでも筋肉がほぐれる感覚がなく、違和感だけが残る場合、心筋梗塞や狭心症によって、しびれが引き起こされている可能性も少なくない。

さらに恐ろしい脳の異変によるしびれ

前述の表に挙げた5つの『しびれ部位と隠れた病気の関連』以外にも、脳の異変が原因によるしびれもあります。

脳の異変が悪化すると、四肢などの麻痺や最悪の場合には死亡に至ってしまうことにもなるので、少しでも違和感を感じたら直ちに病院へ行くことが自身を守ることに繋がります。

以下に、脳の異変によるしびれの出る部位とその詳細を挙げておくので、記憶の片隅にでも残しておいて、万が一の事態にも落ち着いて対処できるように準備しておくことをお勧めします。

◆ 脳卒中の場合のしびれ部位とその詳細

しびれが出る部位 詳細
頭・顔・半身のみ 脳卒中の特徴的な症状として『半身だけがしびれる』『片足を引きずる』『手から急に力が抜ける』などの異変が生じる。
近年では《FAST》に注意することをアナウンスしている。
顔(FACE)・腕(ARM)・発語(SPEECH)
上記の3つに異変が出たら、出来る限り短時間(TIME)で処置をしろという頭文字4つを合わせたもの。
処置が早ければ早いほど、脳細胞の損傷も少なく後遺症のリスクも減る。
また、物が二重に見える症状が併発した場合にも注意すること。

 

しびれの原因として最も多いのが神経の異変

人間の神経というのは、頭から背骨に沿って走っており、さらにそこから枝分かれして身体の隅々にまで行き渡っています。

この神経が骨に圧迫されることで手足にしびれが出ます。

ここでは、しびれの原因として多い《神経の異変》について、さらに関連する病気としびれの特徴などを、もう少し掘り下げて詳しく話していこうと思います。

頚椎症は神経性しびれの初期段階

手のしびれの原因として最も多いのが頚椎症です。

頚椎症

脊髄から枝分かれした神経は、首の骨の隙間(椎間孔)を抜けて腕に向かって伸びています。頚椎症というのは、長年の生活習慣や加齢の影響で椎間孔の形が変形してしまい、その部分が神経を圧迫してしびれを引き起こす疾患です。

しびれの感覚の特徴としては、個人差もありますが、正座をした後のビリビリとした感覚だったり、文字を書くときにこれまでとは違う違和感が現れます。

頚椎症と似た感覚のしびれが出る疾患

神経の圧迫というのは、腕以外の場所でも起きます。

脊髄から枝分かれした神経は、鎖骨の周辺も通って手の先へと進んでいますが、ここを通る際に肩の骨が神経を圧迫してしびれが起きます。これが胸郭出口症候群という疾患です。さらに、手首の末梢神経が骨の圧迫を受けてしびれが出る手根管症候群、腰を通る神経が圧迫されてしびれが出る腰椎症などがあります。

このような神経の異変が原因によって引き起こされるしびれには、いくつかの特徴があるので、代表的なものを挙げておきます。

◆ 神経の異変によるしびれの特徴
  • 神経の特定の部分が圧迫されることにより、しびれは同じ箇所に出続けることが多い。
  • 神経が圧迫されている場所よりも先の箇所にしびれが出る。そのため頚椎症や胸部出口症候群の場合は、首・肩・手といった首から下に出る。腰椎症の場合は、腰から下にしびれが出る。
  • 神経を圧迫するしないは、首や肩の角度によって変わるので、首・肩・腰を回したり反らしたりすると、しびれの強さが変化する。

上記に挙げた例が、神経の異変によるしびれの特徴です。

神経性のしびれを放置してしまうと、身体の中心を走る重要な部位である脊髄に深刻なダメージが加わってしまいます。その辺りも少し話してみることにしましょう。

神経性のしびれの放置は脊柱菅狭窄症を患うことも

脊柱管というのは、脊髄を取り巻いている骨のトンネルのことをいいます。

脊柱管は加齢や長年の生活習慣の影響によって、首や腰の骨が変形してトンネル部分が狭くなってしまいます。それが原因となって、脊髄を刺激してしまいしびれが出てきます。

脊柱菅狭窄症になるまで症状が悪化すると、感覚神経だけではなく、脳から筋肉へと命令を伝える運動神経に影響が生じます。つまり、手足がうまく動かせなくなってしまう《運動麻痺》の状態に近いものになるので、結果として、少しの距離を歩くだけで足がしびれて動けなくなるという事態に陥ってしまうんです。

『歩けない』『排尿障害』のケースもある

脊髄が圧迫されてしまうと、親指を自然に動かせなくなることもあります。

親指というのは、手先の動作の繊細な動きを支える重要な指なので、これが自在に動かせなくなると《箸が上手く使えない》《物をすぐに落とす》《ペットボトルの蓋が開けられない》といった日常生活にまで支障をきたすことになります。

脊柱狭窄症による運動機能障害

さらに長期間放置すると、最悪の場合には歩けなくなることにもなります。

脊髄というのは、膀胱などの神経にも繋がっており、その機能を司っているので、尿もれなどの排泄障害に陥ってしまうことも現実に起きます。こうなってしまうと、手術しか方法がなくなり、治療には長い期間を要することになります。

一度ダメになった神経は元に戻らない

同じ場所に1週間以上しびれが続く場合には、とにかく早く医師の診断を受けることが重要です。

頚椎症や胸郭出口症候群という疾患は、早期に医師の診察を受けて治療しておけば、症状の深刻化を食い止めることができます。間違っても、何もせずに《放置》したり、自己流で治そうとするようなことだけはしないようにして下さい。

何故かというと、一度ダメになった神経が元通りに治ることはないんです。だからこそ、早い段階で医師に相談して、症状が進行しないようにする必要があるんです。

 

糖尿病に多い血流の異変によるしびれ

糖尿病によるしびれというのは、全身に出てくるのですが、出やすい場所というものがあります。

どこに出るのかと言うと、手の先と足の先です。これは《グローブ&ストッキング型のしびれ》と呼ばれていて、手袋や靴下を履く場所にしびれが出やすくなります。

このタイプのしびれは、首や肩などを動かしても、しびれの感じ方の変化が少ないことに特徴があります。

糖尿病でしびれが出る原因とは

これには色々な説があるのですが、最も有力な説は『血糖値が高い状態が続くと、血流が悪くなるため、抹消の神経にまで酸素や栄養素が届かなくなる』ことが挙げられます。

血流以外の原因としては『ソルビトールという物質が神経細胞に蓄積されてしまうことで、細胞内に過剰な水分が流入して、神経細胞の機能が低下してしまう』という説もあります。

いずれにしても、糖尿病を患ってしまうと、様々な合併症のリスクが伴います。

糖尿病による網膜へのダメージ

糖尿病は発見が遅れると、網膜にダメージを受けてしまい視力が低下したり、最悪の場合には失明するケースもあります。また、腎臓の機能も低下させてしまうこともあるので、人工透析が必要になることも少なくありません。

糖尿病を予防するためにも、日々の生活でバランスの取れた食生活や適度な運動を心がけることが大切です。その一方で、しびれが出た場合には、面倒臭がらずに必ず医師の診察を受けるようにして頂きたいと思います。

糖尿病以外にもある血流の異変によるしびれ

血流が原因となるしびれは、糖尿病を患っているケースが多いのですが、それ以外にも動脈硬化のサインになっている場合もあるんです。それは閉塞性動脈硬化症と呼ばれている疾患です。

メカニズムとしては、血管が詰まってしまい、神経が鈍ることによってしびれが出ます。

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症の場合には、手よりも足にしびれが出てきます。さらに、両方の足ではなく、左右どちらかの足にしびれが出やすくなります。このケースの特徴としては、しびれを感じる部分が冷えやすくなり、足の色が黒っぽくなることが多くあります。

こういったしびれの場合は、非常にリスクが高いことを覚えておく必要があるんです。

閉塞性動脈硬化症は悪化すると非常に危険

閉塞性動脈硬化症が重症化してしまうと、足を切断しなければならないことになります。

さらに恐ろしいのが、足で動脈硬化が見つかった場合、心臓や脳といった他の血管でも動脈硬化を発症している可能性もあるんです。つまり、良くても身体の機能に後遺症が残ってしまうリスクが高いと言えます。

動脈硬化というのは、進行してしまうと心筋梗塞や狭心症を発症します。しびれは、こういった重疾患の前触れである《軽度の症状》なので、しびれを放っておくと後々に取り返しのつかない事態にもなり得るんです。

身体から出るサインである《しびれ》は、大病を患うことを避けるチャンスとも言えるでしょう。

 

ガンなどに多い内臓の異変によるしびれ

背中にしびれや違和感が出ている場合、膵臓ガンを疑わなければなりません。

膵臓というのは身体の奥深くに存在しているため、ガンが出来ても自覚症状がほとんどありません。つまり、背中しびれや違和感といった自覚症状が出る頃には、かなり進行していると考えて間違いありません。これが《沈黙の臓器》と言われる所以(ゆえん)なんです。

しびれの感覚としては、輪郭がはっきりしたものではなく、曖昧にしびれの箇所が広がっているような感覚です。

このようなしびれが出てきた場合には、四の五の言ってる暇はありません。とにかく早急に病院に行くようにすることが最も重要です。

 

ストレスや心理不安によるしびれ

ストレスが溜まったり、心理的に不安定になると、全身にしびれが出ることもあります。

単に筋肉が凝っていることもあるのですが、ストレスにしろ筋肉の凝りにしろ、このようなしびれは数日で消えることが多いので、過度に心配することはありません。

ただ、しびれの感覚というのは、個々で大きく差がでるので、おかしいと感じたら医師の診察を受けることが、一番正しい行動だと言えるでしょう。

 

まとめ(部位別しびれの特徴と隠れた病気)

人間というのは、年齢を重ねていくと、身体のどこかにしびれが出てくるものです。

つまり、しびれが出てもとくに珍しいことではないので、年配者がしびれを感じても「どうせいつものことだよ。すぐに治まる」といった感じで放置することが多くなります。しかし、重い病気のサインの場合もある、ということを覚えておく必要はあります。

これを予防するためには、日頃の生活習慣が基本となります。

  • バランスの取れた食生活
  • 毎日の適度な運動(ウォーキングなど)
  • サプリメントを利用した栄養補給

これらを心がけることで、しびれを発症するリスクは大幅に減らすことが出来るので、出来る限り実践するようにしましょう。

そして、普段と違ったしびれを感じて、当記事で挙げているような特徴がある場合には、まず医師に相談することです。それを念頭に置いて行動すれば、少なくとも大病を患うリスクを避けることになるはずです。

 


 



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