私たち現代人にとって、薬というのはなくてはならない存在となっています。人類の英知によって開発されてきた薬は、様々な病気や怪我による痛みや苦しみを治癒させるために、どうしても必要不可欠なものです。
しかし、何事にも限度というものはあります。
本来『病気はなってから治すのではなく、発症しないように予防すること』が大前提なのです。
《日頃の適度な運動・バランスの取れた食事・十分な睡眠》の3つを守ることが、身体を守る基本中の基本となります。
特に日本では、国民皆保険という制度をとっているので、薬代を含めた医療費の自己負担額が低く、医療を受けることに対する抵抗感が欠落していると言えるでしょう。つまりこれは、薬に頼りすぎる原因の一つとも言えるのです。
薬の飲みすぎというのは、健康を損ねる要因でもあります。
そこでこの記事では、薬に頼らず健康を維持していく方法を話していきます。
体質改善3つの基本である食事・睡眠・運動の他に『声出し』『ツボ』という2つの秘策を公開するので、特に血圧や血糖値が高い人は、ぜひ最後まで読んで頂きたいと思います。
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日本人が飲みすぎている薬の一つ《降圧剤》の危険性とは
薬というのは、サプリメントなどの栄養補助食品と違い即効性があります。
たとえば、血圧の高い人が血圧を下げる薬である《降圧剤》を飲むと、正常値あるいは正常値近くまで血圧が下がります。病気に対して即効で効果が現れるので、対処療法としてなくてはならない存在だと言えるでしょう。
しかし、即効性があるということは、その分、副作用が必ずあるということなんです。
とくに日本人は、この副作用に対する危機意識の薄い人が多く、医師の勧めるままに薬を飲み続ける傾向にあるので、注意が必要だと言えるでしょう。
降圧剤の副作用が認知症の原因になる恐れもある
血圧が高いと、脳卒中などの原因にもなるので、降圧剤によって血圧を下げることはとても重要なことです。
しかし即効性があるということは、言い換えれば『薬で強制的に血圧を下げてしまう』ということになります。強制的に下げてしまうと、本来であれば頭まで昇っていくべき血流の力までも下がってしまいます。
そうなると、脳が酸欠状態になってしまい、めまいなどの副作用が起きることもあります。
つまり、降圧剤を飲み続けることによって、脳に十分な酸素が行き渡らない状態になり、将来的には認知症の発症に繋がる可能性も少なくありません。
あくまでも可能性の問題であって必ず認知症を発症するというわけではありません。しかし、薬に頼りすぎることが危険であることは間違いないと言えるでしょう。
血圧を下げる必要のない人にまで降圧剤を処方!?
厚生労働省の調べでは、2014年に高血圧を診断された人の数は約1010万8000人にのぼります。
日本生活習慣病予防協会『平成26年患者調査の状況』数値にて作成
以前の血圧正常値は『年齢+90』以下であれば問題ないとされていました。しかし現在では140を超えると高血圧と診断され、降圧剤が処方されるようになっています。
前述しているように、血圧が高いと脳卒中などの疾病を引き起こしてしまう可能性は高くなります。しかしその一方で、降圧剤を飲むことによって、重大な疾病を回避したと証明する有効なデータというのは存在しないのです。
さらに、同年に厚生労働省が発表したデータによると、血圧降下剤と血管拡張剤の売上高は、日本での薬全体の11.4%を占めています。
これを金額にすると、約7525億8700万円もの売上になり、全ての薬剤のなかでも最も高い金額となっているんです。
◆血圧降下剤・血管拡張剤の売上高
これは、本当に血圧を下げる必要のある患者以外にまで、血圧降下剤や血管拡張剤が処方されている結果であり、日本人は降圧剤を飲みすぎているということの表れとも言えます。
年齢とともに血圧が上昇することは正常の範囲
年齢を重ねると、誰しも血管が硬くなっていくものです。血管が硬くなると、当然のことながら血圧も上昇していきます。
これを念頭に置かず、ただ『140を超えているから』という理由で降圧剤を処方していては、めまいや立ちくらみから転倒など、別の危険性が増してしまいます。
つまり、ある程度の血圧がなければ、脳に十分な血液が行き渡らなくなり、怪我や別の病気を引き起こすこともあります。
もし、医師から言われるまま降圧剤を飲み続けている人は、かかりつけの医師に相談することはもちろんのこと、別の医師にも《減薬》の相談をすることをお勧めします。薬を減らしていくことを考えることが、将来の自分のためにも繋がるんです。
血圧は生活環境と身体の変化に合わせることが大切
たとえば男性の場合、定年を過ぎると日常の運動量が減り、筋肉量も減ってしまうので、血流が悪くなり血圧は上がります。女性であれば、閉経を迎えることによって女性ホルモンが減少し、高血圧気味になる人は多くなります。
年々、生活環境や身体は変化しているにも関わらず、20代や30代の頃と同じ血圧を維持しようとするのは、かえって身体に負担を強いていることになるんです。
つまり、変化に合わせた数値を維持することが大切だと言えます。
そのためには、薬を減らす方向で医師に相談する。そして、薬を減らすのと同時に、食生活にも気を配ることを忘れてはいけません。
塩分摂取量の基準値にとらわれる必要はない!?
食生活に気を配ると聞くと、塩分を減らす《減塩》を思い浮かべる人は少なくないと思います。
減塩を謳った調味料を使ったり、極端な人になると味噌汁を飲まなくなる人もいるようです。
『高血圧治療ガイドライン2014』によれば、1日の食塩目標値が6g未満と設定されています。日本人の平均食塩摂取量が約10gなので、6g未満という数値が気になる人がいても当然だと言えます。
しかし、実際の研究によると『1日の食塩摂取量が6g~14g以内の人であれば、塩分摂取量と高血圧発症に相関関係はない』という結果が出ているんです。
さらに、6g~14gの範囲では、塩分を多く摂っている人の方が、心筋梗塞などの心血管疾患による死亡率が低いという結果も出ています。
あまりにも極端に摂取することは論外ですが、無理に減塩を行う必要はないと言えるでしょう。
ナトリウムを排出する天然の降圧剤で高血圧を改善
塩分の摂取量に気を使うよりも、摂取した塩分を排出するように心がけることが大切です。
そもそも血圧を上昇させるのは、食塩そのものではなく、食塩に含まれているナトリウムの働きが原因になっています。このナトリウムの排出を促す成分がカリウムなんです。
カリウムを多く含む食材
- 海藻類(ひじき・昆布など)
- 大豆類(納豆・味噌など)
海藻や大豆というのは、体内を浄化させる働きがあり『身体のお掃除屋さん』とも言われています。
さらに、調味料では酢が効果的です。酢に含まれている酢酸には、血管を拡張させて血流を滑らかにする働きがあります。これらの食材は、スーパーなどで簡単に手に入れることができる、天然の降圧剤なんです。
自律神経をリラックスさせることで血圧は上昇しない
血圧は、血管の収縮・拡張をつかさどる自律神経によってコントロールされます。
交感神経が優位に立てば、体内が緊張状態となり血管は収縮します。血管が収縮すれば必然的に血圧は上昇することになります。つまり、血圧の数値が高めの人は、常に交感神経が優位に働き続けているということになるんです。
「サントリー健康情報レポート」より画像を引用
これを改善するためには、副交感神経を優位に働かせ、体内をリラックス状態にすることです。
香りで自律神経をリラックスさせる
ラベンダーやベルガモットといったアロマの利用は、自律神経のリラックスに効果的です。
アロマによる香りの成分が大脳の視床下部に作用して、自律神経に緊張を解くよう促す働きがあるので、興味のある方は試してみることをお勧めします。
声を出して自律神経をリラックスさせる
「アロマなんて面倒だよ」という方には、もっと身近で簡単な方法があります。
その方法とは『思いっきり声を出す』ことです。たとえばストレスの発散方法として、カラオケを大きな声を出して歌ったり、人とたくさん話したりする方は多いと思います。
大声を出すと、一時的には血圧が上がってしまいます。ですが、その後は副交感神経が優位に働き、血管を拡張させて血圧を穏やかに安定させる効果があるんです。
カラオケというのは、楽しんで健康を維持できる最良の健康方法であり、さらには美容にも効果があります。
まさに『楽しく・健康に・美しく』の一石三鳥だと言えるでしょう。
自律神経に働きかけるツボで数値を下げる
医学には西洋医学、さらにもう一つ『東洋医学』があります。
東洋医学によると、喉仏から指2本分外側に人迎(じんげい)と呼ばれるツボがあり、このツボが血圧を下げるのに有効的だと言われています。
血圧を下げるツボ |
① 息を吐きながら5秒かけ、脈を感じる程度に指を押し込みます ② そして、息を吸いながら5秒かけて、ゆっくりと指を離します ③ ツボを押す・離すの動作を5回ほど、左右同様に繰り返します |
上図の青丸の部分が人迎と呼ばれるツボで、このツボに人差し指を当て、生きを吐きながら首の中心に向かって5秒ほど押します。当然のことながら個人差はあるのですが、人によってはその場で血圧が20ほど下がる人もいるようです。
アロマや声出しなどと併用して、人迎を押すことも試す価値はあるのかもしれません。
現代病の一つである糖尿病も減薬することが重要
糖尿病は、そのものが恐ろしい疾病なのですが、さらに怖いのが合併症です。
心筋梗塞や脳卒中など、死に直結してしまうものから、失明や手足の壊死など、取り返しのつかない疾病を引き起こしてしまいます。
薬に頼って、見かけだけの数値ばかりを気にしても、根本的な体質が変わらない以上、その後の改善は絶望的です。体質改善には、食生活や日々の運動が効果的なのですが、さらに《睡眠》にも目を向けることが大事なんです。
睡眠の質が悪いと脳を守るために血糖値が上がる!?
人間は、寝起きに朝日を浴びることでセロトニンという物質が分泌されます。セロトニンの分泌後、約12時間~15時間経つと眠くなるというバイオリズムによって生活しているのです。
睡眠不足が日常化してしまうと、このセロトニンが分泌されにくくなり、身体は慢性的なストレスを感じてしまうことになります。
人間はストレスを受けると、副腎皮質からコルチゾールが分泌され、脳の働きを高めるために血管中に大量のブドウ糖を送るように促します。
つまり、体内時計が狂っていると、日中もコルチゾールが減らない状態となり、血糖値が高いままになってしまうんです。
睡眠時間は7時間から7.5時間が理想的
アメリカのサンディエゴ大学で、睡眠時間と死亡率の関連性についての研究結果が出ています。
その研究結果によると、睡眠時間が7時間から7.5時間の人は、この睡眠時間よりも多い人、あるいは少ない人と比べて、6年後の死亡率が低いと言われています。
つまり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の発症リスクと睡眠は、密接に結びついていることを意味している結果だと言えるでしょう。
睡眠に関しては、当ブログ記事『朝の目覚めを改善し体内時計を正常にする5つの方法を全て公開』で細かく解説しているので、詳しく知りたい方は併せて読んで頂きたいと思います。
消化器官・糖代謝を活発にする簡単な方法とは
高血圧と同様に、東洋医学には血糖値を下げるためのツボもあります。
《陽けい》《腕骨》というツボが手の甲にあり、このツボを刺激することで、糖代謝を促したり、消化器官の働きを活発にできると言います。
糖代謝を促すツボ・消化器官を活発にするツボ |
① 腕骨は、5秒押して指を離す。これを10回繰り返す ② 陽けいは、3秒押したら1秒休むを2~3分繰り返す |
上記の画像の赤丸の部分が《陽けい》と呼ばれるツボ、青丸の部分が《腕骨》と呼ばれるツボになります。
陽けいを押すと、消化器官の働きが活発になり、腕骨を押すと糖代謝を促してくれるので、この2つのツボを刺激することで、血糖値の上昇を抑える働きがあると言われています。
血糖値が高く、なかなか数値が下がらない方は、体質改善の方法の一つとして試してみてはいかがでしょうか。
まとめ(減薬して体質改善で血圧・血糖値を下げる方法)
冒頭でも述べていますが、日本人は全体的に薬に頼りすぎている傾向にあります。
本来、病気や怪我を治すのは、人間が持っている自然治癒力であり、薬はその治癒力をサポートするために存在しています。
この記事でも話してきたように、血圧や血糖値は体質を改善することによって、根本的に数値を下げることは可能です。薬を中心にするのではなく、体質改善を中心に考えをシフトしていくことが大切だと言えます。
食事バランスや日頃の運動など、体質改善には面倒なことが付き物ですが、5年先、10年先を見据えることが必要です。
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