真夏の間違った3つの健康法《屋内編》+誤解のあるスタミナ食とは

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夏の健康法(屋内編)

今年もやってきた日本の夏。連日のうだるような暑さは、健康管理が非情に難しい季節でもあります。熱中症や夏バテなどのリスクは、日常生活のあらゆるところに潜んでいることもあり、自衛策を講じている人も多いでしょう。

しかし、当たり前と思っているその自衛策が、死を招く《大間違いな健康法》だとしたら……。

  • 水をたくさん飲めば熱中症は防げる
  • 就寝時には冷房を切る
  • 冷たいシャワーでさっぱり

上記の3つ、当たり前のように行っている方は、非常に多いだろうと思いますが、実は、医学的には危険な習慣だったんです。みなさんが常識だと思っている猛暑対策には、間違いや誤解が多く、下手をすれば死を招くことにもなりかねません。

そこでこの記事では、間違った健康法を解消して、無事にこの猛暑を乗り切っていただくための正しい真夏の健康法について話していきたいと思います。

 

『熱中症予防に水分補給』は誤解している人が多い!?

総務省消防庁の発表では、6月の時点ですでに全国で3481人の方が熱中症によって救急搬送されています。

熱中症の予防をはじめとして、夏の暑さ対策は大切なことなのですが、冒頭でも述べているように、私たちが良かれと思ってやっている猛暑対策には間違いが多く、裏目に出ていることも少なくないのです。

たとえば「水を飲んで熱中症を予防しましょう」というアナウンスにも、実は誤解されている部分が多いのです。

水を飲むと血栓症のリスクが増してしまう!?

今では『喉の渇きを感じる前に水を飲むことが大切』ということが、多くの方の中では当たり前になっているかと思います。

人間の身体というのは、それほど多くの水分を吸収できないので、一度に大量の水を摂取しても吸収されずに排出されてしまいます。夏場はとくに発汗量が多く、水分とともにナトリウムなどのミネラルも減少します。

体内水分

この状態からさらに水分だけを補給しても、血液中のナトリウム濃度が低くなってしまうため、喉の渇きが感じられません。

結果として、必要な水分を補給することができないため、脱水が進み、頭痛・痙攣・意識障害などに繋がり、脳梗塞などの血栓症を引き起こす危険性が高まるのです。

リスクを回避するための水の飲み方とは

脱水や血栓症を予防するためには、血中の塩分濃度を極端に薄めないようにしなければなりません。

そのためには、1回の補給する水分量はコップ約1杯分(約250ml)を目安にすると、リスク回避に繋がります。

人間は一般的に、1日で約2.5リットルの水分を汗や尿で排出しています。発汗量の少ない冬と違い、夏場には大量の汗をかくことが多く、約3リットル程度の水分が失われています。

なので、正しい水分補給の方法は、1時間ごとにコップ1杯分の水を飲むようにすることが、夏場のリスクを回避する理想の方法だと言えます。

スポーツドリンクも飲み方を間違えると危険

「水だけが危険ならスポーツドリンクを飲めば良いじゃないか」と思っている方も多いでしょう。

たしかに、塩分に加えて糖分も含まれているスポーツドリンクであれば、水分と同時にミネラルも補給できます。しかしこちらも、グビグビと飲みすぎてしまうと《ペットボトル症候群》と呼ばれる急性糖尿病になってしまう危険性があるんです。

スポーツドリンクの飲み方

なので、スポーツドリンクを飲む場合は原液で飲むのではなく、水で2倍程度に希釈してから飲むのが最も安全な飲み方です。

ちなみに、ここ数年で一般的に知られるようになった経口補水液は、熱中症の対症療法として開発されています。

スポーツドリンクよりも塩分濃度が濃く、糖分は抑えられているので、夏場のスポーツや炎天下での作業時には、経口補水駅を携帯しておくことをお勧めします。

夏バテ予防に飲む緑茶にも注意が必要

コンビニやスーパーで手軽にペットボトル入りの緑茶が買えることもあり、緑茶片手に歩いている人も少なくありません。

緑茶はビタミンCが豊富に含まれており、さらに殺菌作用のあるカテキンも含まれているので、夏バテ予防にはもってこいの飲み物だと言えます。

しかし、お茶には利尿作用のあるカフェインも含まれているので、熱中症対策としては向いていません。炎天下の中、緑茶を飲み過ぎると、かえって脱水症を引き起こす恐れもあるので、気を付けていただきたいと思います。

 

就寝中の自衛策にも誤解が多い夏の健康法

夏の健康対策として最も知られているのは、前述しているように『水分補給』についてです。

ここまで、水分補給の誤解については話してきましたが、それ以外にも誤解されがちな夏の健康対策に《夜》のリスクがあります。

『就寝前にコップ1杯の水を飲む』というのは多くの方がご存知かと思います。しかし、これ以上に注意しなければならないことが、就寝中の発汗対策です。そのために知っておくべきことが、エアコンの使い方になります。

タイマー機能は使わず一晩つけっぱなしにする

『エアコンをつけっぱなしにすると夏風邪をひいてしまう』という理由から、睡眠時に切ってしまう人は少なくありません。

しかし、これは大きな間違いなのです。

1時間や2時間のタイマー機能を使った場合、寝ている間に大量の汗をかいてしまうので、脱水症状を引き起こすリスクが高まります。夏風邪予防のためにエアコンを切って、脱水症状になっていては元も子もありませんからね。

さらに、タイマー機能の弱点は、暑さで寝苦しくなって夜中に何度も起きてしまうことにあります。睡眠の質を落とすと免疫機能が低下してしまうので、大きな疾病にも繋がることになります。

28℃にこだわらず体感温度に合わせて室温を設定

近年、エコロジー対策として『エアコンの設定温度は28℃に』と言われていますが、この室温設定に根拠はありません。

エアコン設定温度

室温は部屋の環境によって大きく差が出ます。一定の環境によって推奨されている28℃にこだわる必要は全くないので、暑いと感じれば設定温度を下げるようにしましょう。それより重要なことは、エアコンの風を直接受けないようにすることです。

起きているときもそうですが、特に就寝中にエアコンの風を直接受けてしまうと、低体温症を招いてしまい夏風邪の原因にもなるので注意しましょう。

就寝中の服装や寝具にも気を使うことも重要

寝汗をかかないためには、通気性が良くて熱が逃げやすい寝具や服装を使うことが大切です。

寝るときの服装として短パンを履く人は、寝苦しい夏に多いかと思います。短パン自体は問題ないのですが、気をつけるべきことは、下半身を冷やさないようにすることです。

下半身を冷やしてしまうと、体温の低下を招き免疫力の低下や、こむら返りの原因にもなります。足を出すと寝やすい気持ちも分かりますが、就寝中は、タオルケットなどを全身にかけるようにすることが必要です。

 

家庭内で意外にも熱中症の発生率が高い場所とは

2012年に公開されたデータによると、家庭内で熱中症が発生しやすい場所は、下のグラフのような形になっています。

◆ 家庭内で熱中症の発生が多い場所(慶応大学理工学部 調べ)

家庭内で熱中症になりやすい場所

居間や寝室などは想像がつきますが、意外にもトイレが15%もあったのです。

トイレというのは、空調設備がない場所が多いので、室内でもとくに高温多湿な環境になりやすくなっています。そういった環境から、トイレで熱中症になってしまう方が多発することになるんです。

夏場のトイレ使用は、自宅のトイレであれば、用を足すときドアを閉め切らず、少し開けておくようにする工夫が、熱中症を防ぐためには必要と言えるでしょう。

 

夏場の入浴方法にも間違った知識は多い

連日のうだる暑さのせいで、汗をかくことが多いこの季節を快適に過ごすためには、入浴は欠かせないと言えます。

しかし、この入浴方法にも誤解が多いのです。

夏の入浴スタイルに関するアンケートでは、以下のような結果が出ています。

◆ 夏場の入浴スタイルに関するアンケート調査(解答者:1万734人)

夏の入浴スタイル

上記のグラフを見ていただければ分かるのですが、約40%強の人が『夏はシャワーだけ』『季節を問わずシャワーだけ』と答えており、湯船につからない人が増えています。

夏のシャワー、特に冷水を使ってのシャワーは少々危険を含んでいるので、注意していただきたいのです。

冷水のシャワーは死に繋がる大病のリスクも

暑いこの季節は、冷たいシャワーでサッパリしたいと思う方も多いはずです。

ですが、外の気温が高い夏場に冷たいシャワーを浴びると、外気温との温度差が激しく血圧が急激に上昇します。そのため、脳梗塞や脳卒中などを引き起こしてしまうリスクを高めてしまうのです。

同様の理由から、水風呂も非常に危険なので、避けることが無難だと言えるでしょう。

『ぬるい湯船で長くつかる』も大きな間違い

よく健康雑誌などで『40℃前後のぬるめのお湯に長く浸かる方が良い』と発信していますが、夏場に限って言えば、これは正しい健康法とは言えません。

ぬるめのお湯といえども、長時間の入浴では大量の水分を汗として排出しています。つまり、脱水症状を引き起こしやすいのです。夏場に長風呂というのは、かなりのリスクを伴っていることを忘れないようにして下さい。

夏は、少々熱く感じるお湯(41℃くらい)にサッと浸かり、短めの入浴にした方が身体には優しいのです。

 

危険が潜む夏のカロリー制限や糖質制限

夏は《体重が減りやすい》季節でもあり、痩せるチャンスとばかりに、ダイエットにチャレンジする人も少なくありません。

しかしこの『体重が減りやすい』というのが落とし穴でもあるんです。

夏場に、1日で体重が1~2kg減ることもあるかと思いますが、これは基本的に大量の発汗による脱水症状なんです。なので、体重が減ることを喜び、調子に乗ってダイエットを続けると脳梗塞や心筋梗塞の危険が高まってしまいます。

なので、この季節のカロリー制限や糖質制限には、大きな危険が潜んでいることを忘れないようにしなければいけません。

夏場の食事こそ糖質を摂るように気を配る

『暑くて食欲がない』『痩せやすい夏こそしっかりダイエットする』といった理由から、夏場は糖質不足になる人が増えます。

糖質はすぐにエネルギーに変わるので、これが不足してしまうと、夏バテや夏風邪を引き起こしやすくなるのです。特に夏風邪というのは、長引く特徴があるので、無理なダイエットなどで体力が衰えていると、肺炎に繋がる恐れも少なくありません。

つまり夏というのは、年間でも特に食生活に気を使わなければならないシーズンなんです。

夏の定番ランチ①『素麺』『冷やし中華』

食欲が落ちてしまうこの季節のランチに《素麺》や《冷やし中華》を食べる人も多いでしょう。

しかし同じ定番と言っても、両者には大きな違いがあります。

素麺

素麺の1人前は、ご飯1膳よりカロリーが多いのですが、素麺自体にビタミンやミネラルなどの栄養素は含まれていません。

素麺

腹持ちが悪いので、ついつい食べ過ぎてしまうのですが、多く食べてもエネルギー補給には程遠いので、一緒に副菜を摂るなどの工夫が必要となります。

冷やし中華

同じ麺類を食べるなら、野菜をたくさん乗せて食べる冷やし中華のほうが、夏の健康管理には適しています。

冷やし中華

特に、きゅうりやトマトといった旬の夏野菜には、ビタミンやミネラルに加えて、水分もたっぷり含まれているので、脱水症状や熱中症を予防することに繋がります。

夏の定番ランチ②『カレー』『ウナギ』

香辛料たっぷりのカレーは、食欲を増進させる定番のメニューでもあり、昼食や夕食に食べる人も多いはず。さらに、ウナギもスタミナ食材の代表格として、夏バテ防止として食べることも多いでしょう。

しかし、両者とも食べ過ぎると逆効果となるので注意が必要です。

カレー

香辛料によって胃が刺激されて、食欲はもちろん消化機能も高めてくれるのがカレーです。

カレー

ですが、冷たいものを摂りがちな夏は胃腸が弱っている人が多いので、そこに香辛料を摂りすぎてしまうと、弱った胃粘膜への過度なダメージになります。結果として胃もたれなどを起こし、食欲不振がひどくなるケースもあるので注意しましょう。

ウナギ

土用の丑などで、夏のスタミナ食の定番となっているウナギですが、実は胃腸にとっては優しくない食べ物なんです。

ウナギ

焼いたウナギとタレの匂いで、食欲が増すのですが、ウナギには脂が乗っているので消化に時間がかかってしまうのです。消化が悪いと胃もたれなどの原因にもなるので、食欲が減退して夏バテを引き起こしてしまうことになってしまいます。

 

夏場は尿の色をチェックすることが重要

めまい・しびれ・ふらつき・吐き気・頭痛などの症状が現れた場合、すでに熱中症や脱水症状を発症している可能性があります。

そこで、脱水症状の簡単な自己チェック方法として、尿の色を確認しましょう。尿の色は、年間を通して確認することが大事ですが、特に夏場のチェックは非常に重要と言えます。

尿の色が濃い場合は注意が必要

体内の水分量が十分で問題ない場合、尿の色は透明から薄い黄色となります。

一方で、尿の色が黄色や黄褐色といった濃い色の場合、体内の水分量が不足しているサインです。脱水を補うために腎臓からの水分の排泄が制限されるため、尿の色が濃くなります。

濃い色の尿が出た場合には、しっかりと水分を補給して、脱水症状を引き起こさないように注意しましょう。

 

まとめ(夏を乗り切る熱中症対策《屋内編》)

近年、熱中症による死亡者数は年々増え続けています。

総務省消防庁の発表では、2017年の6月だけで、全国で3481人もの人が救急搬送されているようです。子供や若年層も油断はできないのですが、特に危険が伴っているのは高齢者です。

2015年の熱中症による死亡者のうち、8割超えの781人が65歳以上の高齢者となっています。

もはや《熱帯》となっている日本の夏。これまで当たり前のように行ってきた夏の健康法では、暑さによるダメージは蓄積されるばかりだと言えるでしょう。

初夏から暑中、そして残暑へと――まだまだ暑い日は続きます。

夏場の健康維持は、猛暑によって『自分の身体が弱っている』ということを踏まえたうえで、夏を乗り切る正しい猛暑対策を取ることが肝要だと言えます。

今回は、真夏の健康法(屋内編)として話しましたが、別記事《猛暑対策の間違った健康法(屋外編)!生と死を分ける2択とは!?》も併せて読んで頂きたいと思います。

併せて読んで頂くことで、この夏の猛暑を元気に乗り切るきっかけ作りになれば幸いです。

 


 



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